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理想と偽装の向こう側
第16章 懐古
「あっ…ひゃ…」


俺の唇が肌に触れる度、光花は怯える様に身体を震わせた。


「光花…大丈夫?」


時たま確認すると、光花は必死で頷いてくれた。


そんな姿が、胸の中に更に愛しさを募らせる。


「光花…可愛い…」


耳元で囁いて、首筋から鎖骨へと…
余すことなくキスを落とす。


「ふひゃ…」


光花だって大人だ…
セックスの知識はある。


だけど初めて重なる異性の肌は、きっと凄く緊張するだろう…。


「光花…好きだよ…」


少しでも安心出来る様に…


俺自身が暴走しない様に…


「光花…」


「はぁ…ぃ…」


何度も名前を呼びかけた。



君の身体は本当に小さくて…


壊さない様に…


傷付けない様に…


そっと包み込む…。


「あぁ…ん…志…信さぁ…ん…」


俺にしがみ付いて、腕の中で揺れる君は


宝物みたいに大事に思えて…


一生、大事にしていこうと決めたんだ…。

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