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理想と偽装の向こう側
第19章 罪悪感?
「良かった…」


思わず安心感から、涙が落ちる。


「香織ん!どうしたの!」


「ううん…何でもないよ!食べるね!ズビッ…」


「はははっ!はい、香織ん!チーンして。」


ティッシュペーパーを数枚持って、鼻先に持ってくる。


「自分でかむよ!」


「ははっ!じゃあ、はい!」


「う、うん…」


あれ…普段ならお構い無しに鼻を摘まんでくるんだけどな…。


鼻をかみながら小田切さんを見やると、どことなくいつもと違う空気感を感じてしまう。


何だろう…
届きそうで、届かない様な…。


同時に胸の中に、暗雲が立ち込め始めた。


うぅ~モヤモヤする~!


「香織ん!今日どうする?」


「えっ!き、今日?」


一気に現実に戻された。


「特に…何も…」


正直、1日二人きりも微妙かも。


「そっ!レンタル屋行かない?」


「あっうん!行くっ!」


小田切さんの提案に、それなら場が持つかな…

ちょっと安堵した。

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