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理想と偽装の向こう側
第19章 罪悪感?
いつもの様にリビングのソファーを背凭れに、横並びでテレビ画面を観る。


こないだは小田切さんの腕の中で緊張して、内容なんて覚えちゃいなかった。


最初だって、そうだ…。


横並びで観る方が普通なのに…
違和感を感じてしまうのは、私が贅沢になってしまってるのかな?


そっと、小田切さんを盗み見する。


真剣に画面を観てる横顔は、相変わらず彫刻みたいに綺麗だ。


また、モヤモヤしてきた。


小田切さんの気持ちが、今どこに在るのか分からなくて、不安になる。


てか!
元々どこに在るかなんて、分かっちゃいなかったけどさ!


勇気を出して、無造作に床に手を付いてる掌の小指に、自分の小指を絡めてみた。


すると小田切さんは、こっちを向いて小さく微笑んで、画面に視線を戻し小指を絡め返してくれた。


ドッ~キン!


めっちゃ反則!!


それからドキドキしっぱなしで、私はまた映画の内容が、全然頭に入って来なかった…。

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