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理想と偽装の向こう側
第20章 さよなら
「え…小田切さん…」


ジッと見詰められ、息が詰まる。


脳裏にパルスの様に走る…


私から協定を破るのは…『有り』?


「小田切さん…こないだ聞いたよね…」


「ん~?」


「同棲の時の約束…まだ有効か…」


小田切さんは眼を細めて


「うん…」


「私から…だったら…『違反』?」


「香織んから?」


笑顔も大好きだけど真剣に見詰め返してくれる表情は…

艶やかで色っぽい…。


本当にズルい…

吸い込まれてしまう…。


「小田切さ…ん…」


私は前に座り込み小田切さんの肩に手を載せて、顔を傾け近付ける…。


「香織…」


お互い眼が閉じて…







「ギュルルルル~!」

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