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理想と偽装の向こう側
第21章 逆転
「な、何言ってるのよ!企画は無くなったのよ!」


「あぁ…知ってるから、チケット個人で取ったから」


「嘘でしょ…」 


横になってるのに、目眩がした。


「私…行かないわよ。仕事だってあるのに」


「しばらく休み扱いにしとけば。有給あるだろ」


「勝手に決めないでよ!きゃあ!」


嘉之は私の縛った手首を片手で、押さえ付けて


「何でも言うこと、訊くんじゃなかったの…」


そして写真を頬に当てる。


「あっ…小田切さんを巻き込むのは、止めてよ。こんな事して、嘉之だって犯罪になるよ…」


「ふん!そんなヘマするかよ」


あぁ…用意周到に、してあるんだ。


合鍵だって部屋に来させるように仕向けたのだって、全て予定通りか…。


でも小田切さんだけは、手を出させない。


「好きにすれば、いいわ…」

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