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理想と偽装の向こう側
第21章 逆転
嘉之はニヤリと口角を上げて


「明日、会社に連絡しろよ」


そう言って、首元に顔を埋めてきた。


「やっ…あっ!」


嘉之に触れられ、怖くて寒気が走る。


このまま、やられぱなしなのかな…
悔しいし、悲しい…。


「ふっく…ひっく…」


「泣いても止めないよ…」


良くない…こんなの絶対に良くない!


「嘉之…イタリア…本当に行きたかったんでしょ」


胸元に掛けようとした、手が止まる。


「あっ?何だよ」


「頑張ったじゃん…何で夢を叶えてるのに…こんなことするの…嘉之自身に傷が付くよ」


「気にしない…」


また、服に手を掛けようとした。


「頑張って欲しいと思ってるよ!嘉之…だから…」


「うるせえよ!!」


「あっ…」


本気で、キレた。

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