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理想と偽装の向こう側
第22章 約束
口を少し開くと、小田切さんはミニトマトを自分の唇に挟む。


何っ!フェイクですか!


と、思いきや…

口移しでミニトマトを口に運ばれる…。


ミニトマト感触の次に、小田切さんの唇の温かさに包まれる。


「ん…」


奥歯にトマトを挟み噛むと、甘酸っぱさが広がりながら、舌で口中に掻き回される。


恥ずかしさすら考えられないくらい、もう言葉になんて成らなくて私はただ、なすがままだった。


ミニトマトを飲み込むと、小田切さんの唇が離れ


「甘かったね…」


超至近距離で言われる。


てか、味なんて分からないです!

 
貴方が一番、甘々です!


虚ろな私に


「香織の唇…サクランボみたいだよね…」


「へぇ…」


甘く囁かれて、ゾクゾクしてくる。


心地好さに、本能のままに委ねる。

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