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理想と偽装の向こう側
第22章 約束
下唇を軽くくわえられ、繰り返される度に頭が痺れてくる。


「はっ…志信…」


「見てると…食べたくなる…」


ドッキン!


「あっ!」


そのままパックリ小田切さんの唇にくわえて込まれ、優しく吸われながら、床に私たちは倒れ込む。


「う…ふぅ…」


どれくらい時間が過ぎたろうか、思考は麻痺して間隔が解らない。


キスだけで意識が飛びそうになる…


そう思った頃にようやく唇が離れ


「はぁ…ヤバい!切りないや。1日中こうしてなくなるから、出掛けよっか」


小田切さんは、苦笑いしながら身体を起こした。


「ふぁ~い」


私は天井を見上げながら、間抜けな返事をした。


これ…毎日だったら、脳ミソ麻痺するかも…。


腐女子の妄想すら、ちっぽけになるリアリティー。


これから先は、まだまだ未知の世界だった。

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