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ねぇ、しよっ!
第6章 千尋の交錯
『カクテルでいいか?』

『あ…うん。』

『マスター、ごめんなさいっ!あたし、あたし…』

『千尋…別に謝らなくていいんじゃないか?』

『え?』

『俺は、千尋に謝られることはしていない。何か勘違いしてないか?』

マスターは続けた。

『店が迷惑するようなことでもされたら、クビにするまで。店の子が凹んでいれば慰めるなり、励ますなり、それが俺のやり方だ。』

『あたしが凹んでたから慰めた?』

『そうだ。』

『じゃあ、あたしを抱いたのは?』

『抱きたかったから。』

『あたしを好きだからじゃないの?好きじゃないのにあたしを抱いたの?』

『千尋、ひとつ聞くぞ。千尋は100人もの男に抱かれたのは、100人全員に恋愛感情があったから抱かれたのか?』

『…………』

何も言い返せなかった…。

『店を開ける。飲んで行くなら、カウンターに座ってくれないか。』

『…帰る……』

千尋は打ちのめされたように覇気がなくなっていた。



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