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そのキスは許されていない……
第2章 私の妻(おんな)
「これから旦那様の命により、褒美として…

私の躰をあなたに挿(さ)しあげます。優しくしてくださいね」

女は硬く強張った杭に指を絡めて頬を寄せ、舌なめずりをしながら

握り締めた。

その瞳に宿る、妖艶さに恐怖を感じながら…

ソレを触る女の肢体に感じたことのない快感を期待してしまったのか…

熱く猛った杭がブルリと震えた。


お嬢様はご結婚したとしても…

私にとっては、変わらずお嬢様がただ一人の女性(ひと)だった。

その時までもお嬢様のお躰をお慰めすることは度々あったが、

他の女に触れたことも、女体の胎内(なか)で精を放ったこともなかった。

どんな売春婦を相手にしても、勃つことはあっても…

挿(い)れようとした瞬間、萎えてしまう。

それはお嬢様を裏切る行為のような気がして…

躰が拒否してしまうからなのだろうか?


そうやって守り通してきた大切な何かを

この後、私は妻となるこの女に貪り尽され、絞り盗られた…


その夜の屈辱的な凌辱は、私のプライドをズタズタにした。

しかしそれと同時にその女と交わるセックスは

ドラックのように私の心と躰の一部を蝕んだ。

お嬢様がすべてだったはずの私に…

この女が躰を使って強引に割り込んできたのだ。
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