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女子大生 成宮恵理
第8章 意識しちゃう
こうやって見ると、悠一郎はやっぱりカッコイイ。

たぶん一般的に見て、所謂〝イケメン〟の部類に入ると思う。

スッと鼻筋が通った整った顔立ちをしているし、肌もニキビ1つ無くて綺麗だし。オマケに背も高いし。

よく考えたら悠一郎ってモテるだろうなぁ。

いつも3人でいる時の悠一郎しか奈々は知らなかった。

だからバイト先とか、知らない所で悠一郎に言い寄ってくる女の子は多かったのかもしれない。

いや、普通に考えてこの顔で、男女関係なく気軽に話ができるような男がモテない訳がない。

でも悠一郎自身は恵理の前でそういう話はした事がなかったし、微塵もそういう雰囲気を出していなかった。

だからきっと心のどこかで安心していたんだと思う。

悠一郎は誰かの所に行っちゃったりはしないって、何の根拠もないのに思い込んでいたんだ。


「……。」


恵理はトムクルーズの映画に引き込まれる事はなく、途中からは殆ど見ていなかった。

その代わりに悠一郎の横顔に夢中になる。

どれだけ見つめていても飽きが来ない。

このままずっと、きっと何時間でも見つめていられる、そんな気さえする程。

ソファの上で2人で分けている布団の中が温かい。

この温かさは自分の体温でもあり、悠一郎の体温の温かさでもある。

なんだかヌクヌクしてとても心地が良い。

お酒が回っている気持ち良さとその温もりが、恵理の心を溶かしていく。

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