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女子大生 成宮恵理
第30章 心の奥に……
もうあれから10年近く経った。
奈々はあの後案外あっさりと新しい彼氏を作って、その人とも数ヶ月で別れたりしていたけれど、大学を卒業して1年後には年上の人と結婚して今は子供が3人もいる。
そして恵理自身は大学時代、結局恋人はできなかったが、社会人になってから友達の紹介でとある男性と付き合い始めると、その人とそのまま5年後に結婚。子供はまだいないが今は専業主婦を楽しんでいる。
恵理と奈々は今でも仲良しで、よくお互いの家に遊びに行っている。そう、大学時代と同じように。
そんな幸せな日々を送る中で、恵理の中から悠一郎と過ごした記憶は少しずつ薄れていった。
でも、毎年この時期台風が来ると思い出す。あの夜の事を。
窓の外から聞こえる暴風雨の音。
そこから頭の中に微かに聞こえ始めるあの人の声。
〝大丈夫だよ我慢しなくても、ほら、外凄い音だし、絶対聞えないよ〟
忘れられない夜、忘れられないセックス。
でも今の恵理は、その思い出をそっと心の奥深くにしまう事ができる。
自分の中だけの、秘密の思い出。
完
奈々はあの後案外あっさりと新しい彼氏を作って、その人とも数ヶ月で別れたりしていたけれど、大学を卒業して1年後には年上の人と結婚して今は子供が3人もいる。
そして恵理自身は大学時代、結局恋人はできなかったが、社会人になってから友達の紹介でとある男性と付き合い始めると、その人とそのまま5年後に結婚。子供はまだいないが今は専業主婦を楽しんでいる。
恵理と奈々は今でも仲良しで、よくお互いの家に遊びに行っている。そう、大学時代と同じように。
そんな幸せな日々を送る中で、恵理の中から悠一郎と過ごした記憶は少しずつ薄れていった。
でも、毎年この時期台風が来ると思い出す。あの夜の事を。
窓の外から聞こえる暴風雨の音。
そこから頭の中に微かに聞こえ始めるあの人の声。
〝大丈夫だよ我慢しなくても、ほら、外凄い音だし、絶対聞えないよ〟
忘れられない夜、忘れられないセックス。
でも今の恵理は、その思い出をそっと心の奥深くにしまう事ができる。
自分の中だけの、秘密の思い出。
完