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女子大生 成宮恵理
第12章 泊まらせて
「明日になったら帰るからさ。」
「当たり前でしょそんなの。」
「なぁ頼むよ恵理、この雨で帰るのはさすがにキツイわ。」
それはそうだと思う。でも、恵理にはどうしてもある事が引っ掛かってしまうのだ。
「でも奈々が……奈々が嫌がると思うし。」
罪悪感を感じながら、言わないといけないと思ってその名前を出した恵理。
これ以上は奈々に悪い。
でも奈々の名前を出した途端に、今いる悠一郎と2人きりの世界が終わってしまったようで悲しくなる。
「え?奈々?奈々は別に大丈夫だって。」
恵理がそんな心境で奈々の名前を出したにも関わらず、悠一郎の返事は意外に軽いものだった。
「大丈夫な訳ないじゃん。」
「だから恵理ならよく3人で遊んだ仲なんだし大丈夫だって言ったろ?奈々も気にしないって。」
「それは前までの話でしょ。今の悠一郎君は……奈々の彼氏なんだし……」
「まぁそうだけどさ。」
「とりあえず連絡しなよ。」
「連絡?連絡ねぇ……」
「しないと駄目、絶対。」
「そうかなぁ、いちいち連絡なんてしなくても良いと思うけどな。」
「絶対駄目、悠一郎君が良くても私が嫌なの。」
「……はぁ、分かったよ。」