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女子大生 成宮恵理
第12章 泊まらせて
「あーぁ、ホントに台風直撃みたいだな。」
テレビを点けた悠一郎が気象ニュース番組を見ながらそう呟いた。
アナウンサーがなるべく外には出歩かないようにと呼びかけている。
「どうすっかなぁ、なぁ恵理、俺どうしたらいい?」
「そんな事言われても……。」
「ほらこのニュース見ろよ、これ外出たら危ないよマジで、だろ?」
「うん、そうだけど。」
ソファに座った二人の間隔は映画を観ていた時よりもずっと近くなって、今では肩が触れ合っている。
徐々に近づいてきたのは悠一郎の方。しかしだからと言って恵理は座る位置を変えたり〝もっと離れてよ〟というような事も言わなかった。
「なぁ恵理、頼みがあるんだけど。」
「……なに?」
「今夜ここに泊まらせてくれないか?」
案の定。
時計が12時を回ったあたりから、もしかしたらそう言われるんじゃないかと思っていた恵理。
「駄目か?」
「えー……」
本来ならすぐにでも断るべきなのだろうけど、今の恵理にはハッキリとそれを告げる事ができない。
いけない事と分かっていても、迷いが出てしまう。
悠一郎の隣が心地良すぎて、離れてほしくないと思ってしまう自分がいる。
テレビを点けた悠一郎が気象ニュース番組を見ながらそう呟いた。
アナウンサーがなるべく外には出歩かないようにと呼びかけている。
「どうすっかなぁ、なぁ恵理、俺どうしたらいい?」
「そんな事言われても……。」
「ほらこのニュース見ろよ、これ外出たら危ないよマジで、だろ?」
「うん、そうだけど。」
ソファに座った二人の間隔は映画を観ていた時よりもずっと近くなって、今では肩が触れ合っている。
徐々に近づいてきたのは悠一郎の方。しかしだからと言って恵理は座る位置を変えたり〝もっと離れてよ〟というような事も言わなかった。
「なぁ恵理、頼みがあるんだけど。」
「……なに?」
「今夜ここに泊まらせてくれないか?」
案の定。
時計が12時を回ったあたりから、もしかしたらそう言われるんじゃないかと思っていた恵理。
「駄目か?」
「えー……」
本来ならすぐにでも断るべきなのだろうけど、今の恵理にはハッキリとそれを告げる事ができない。
いけない事と分かっていても、迷いが出てしまう。
悠一郎の隣が心地良すぎて、離れてほしくないと思ってしまう自分がいる。