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女子大生 成宮恵理
第3章 親友からの告白
「奈々って、悠一郎君の事好きだったの?」
「うん。ていうかよく分からないけど、好きだった事に気付いたって感じかな。」
「で、付き合ってみるかぁって、そんな軽い感じで付き合う事にしたの?」
「ううん、ちゃんと言われたよ。その……悠一郎の気持ちを……。」
「なんて?」
「え~!それも言わないといけないのぉ?恥ずかしいよぉ。」
恵理からしてみれば、悠一郎にも違和感を感じてしまう。
悠一郎が奈々に告白してる姿なんて、恵理には想像できなかった。
「あのね、前から好きだったって、そう言われたの。」
恵理はそこでまた頭をガツンと殴られた。
衝撃でグラグラと目の前が揺れている。吐き気がしそう。
そうだったんだ。
好きだったんだ。
悠一郎君は、前から奈々の事が好きだったんだ。
知らなかった。
全然気付かなかった。
ずっといっしょにいたのに。
「それで私も言われて気付いたっていうか……ほら、よく言うじゃない、相手が近過ぎて自分の気持ちに気付けないって。たぶんそれだったんだと思う、私。だから、うん、付き合う事にしました、はい。」
そして奈々は最後に、「以上、私からの報告でした。」と締めくくった。
「お、おめでとう。」
ここまできてやっと恵理の口からその言葉が出た。
祝福の気持ちを込めることなんかできない。ただ、フワフワした気持ちで、とりあえず言わないといけないと思って言ったという感じ。
「ありがとう。あーもう、なんかやっぱり恵理にこういう話するのって恥ずかしいね。しかも相手が悠一郎だし。」
今日は大事な話があるというから何だろうと思っていたら、まさかこんな事になるなんて。
その後も奈々はテンション高めで悠一郎の事を話し続けていたけれど、恵理は正直よく覚えていない。
適当に会話を合わせながら、ずっと笑顔の奈々を眺めていた。
奈々、凄く幸せそう。
親友の奈々がこんなに嬉しそうなんだから、私も嬉しいはず。
でも、どうしてだろう。
どうして私はこんなにも動揺しているんだろう。