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あなたとふたり
第15章 心は空っぽ

二人並んで、私たちは帰っていた。
私はまだ実家から通っているが
優ちゃんはこれを機に一人暮らしを始めた。
「…本当に俺んちこないわけ?」
「うん。」
「…なんで?」
「怖いから」
「…何もしねぇーよ。」
「…嘘。」
「………嘘って…おい。」
「焦らなくても私、これからずっと
優ちゃんのものだよ?」
「………おい。煽るなよ。」
へへっと笑うと優ちゃんは諦めたのか
私を家まで送ってくれた。
家の前で軽いキスをして
「また明日」と帰っていった。
後ろ姿が見えなくなるまで
私は優ちゃんの背中を見つめていた。

