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あなたとふたり
第16章 信じるものは自分の心
いつから私はこんなに
泣き虫になってしまったんだろう。
ポロポロと涙が溢れて止まらなかった。
「泣くなよ…」
「私…っ。私…っ。
ずっと康太の事…」
「言うな。」
「それ以上は言わなくて良い。
このままどこかに逃げたくなってしまう。」
もう頭は爆睡寸前。
何を考えたらいいのか解らなかった。
「遥香を困らせたい訳じゃない。
…帰ろうか。
会えてよかったよ。」
「待って!
一つ聞きたいことがあるの。」
「優ちゃんと優梨ちゃんは
どんな関係だったの?
仲のいい友達って言ったよね?
それって…何?」
心臓が痛いほど鳴っていた。
康太の顔がそれは
聞かないほうがいいと物語っていた。
それでも、私は聞きたかった。
康太の気持ちも優ちゃんの気持ちも
痛いほど伝わってくるから。