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あなたとふたり
第16章 信じるものは自分の心
あの女の子を送り届け
私たちは2人で家へと向かう。
「優に電話かけたら?」
私の不安を察してか康太が気を使ってくれる。
「ううん。いいの。
玲奈、辛いだろうから…」
「優は玲奈の事…」
「いいのっ!」
康太の声を遮って私は叫んでいた。
これ以上は何も聞きたくなかった。
これ以上、不安になりたくなかった。
「遥香。1人になりたくないだろ?
俺んち、来る?」
「私は…」
「何もしないよ。優の大事なお姫様だからね。
今はお前を1人にさせられない。」
康太は何でなんでもわかってしまうの…?
本当は1人でいると
泣きそうで泣き崩れそうで…
耐えてるのに精一杯だった。
「ありがとう。康太。」
私はできる限りの笑顔を見せた。