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あなたとふたり
第17章 すれ違う2人。繋がる2人。
…………………………
夢の中で私は
温かく柔らかい手に何度も何度も
撫でられていた。
『遥香…』
『遥香…』
優ちゃん…?
温かい温もりは
体全体に広がり…
私を満たしていく。
目を開けたらきっと
優ちゃんが目の前にいてくれる。
きっと、なに食わぬ顔して
また康太に文句を言うんだ…。
私は無意識の中で手を伸ばす。
何ににも触ることなく
私の手は空をかすめる。
…優ちゃん…
置いていかないで…
怖くて暗くて
一人ぼっちは嫌。
そこに手を差し伸べられた。
さっきと同じ温かい温もり。
安堵の涙が伝い
私はその手を掴んだ。
その手は変わらない温もりで
私をまた抱きしめてくれた。
きっとこの手は変わらない。
きっと…