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あなたとふたり
第2章 少しの希望と少しの発展
「永…井君。」
その声にハッとし顔を上げる。
「優ちゃん…。」
「お前ら…超〜〜
うるさい。」
「えー!そう?」
女子からブーイングがとぶ。
「…。別にうるさくていいけど
康太が困ってる。黙っとけ。」
そう言い残し自分の食べたお盆を下げ
学食から出て行ってしまった。
少し驚いた女子は
「だよねっ!柳君に聞こえてたね!」
とAランチを頬張っていた。
聞きたくなかった話題。
でも
2年。
その言葉がグルグルと私の頭を
何度も何度も回っていた。
「遥香。」
名前を呼ばれてクラスメイトの方を見る。
しかし、みんなの目線は
私の背部にあった。
振り返るとそこには
康太が立っていた。
「遥香。ちょっと来て。」
「うん…。」
玲奈がガッツポーズをして私を見送る。
クラスの女子はニヤニヤしている。
全然そんなんじゃないのに…。
私より歩幅の広い康太は
少し先を歩く。
学食をでて
移動教室でしか使わない教室の前で止まった。
人はいない…
康太と2人きり。