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あなたとふたり
第22章 偶然と必然
その時、ドンッと何かがぶつかってきた。
後ろを振り返ると、
そこに4歳くらいの女の子が1人。
目が合いニッコリと微笑むと
その女の子は驚く事を口にした。
「はるかちゃん?」
「えっ…」
「これ、お兄ちゃんから…」
そう言って渡されたのは紙きれ一枚。
特に可愛げもない白いメモ用紙だった。
四つ折りにされたそれを広げ…
我慢していた涙が一斉に、溢れる。
『綺麗になったな。ピョンピョン頭』
堪らず口を覆い嗚咽を耐えるも
涙はドンドン溢れてくる…
人目もはばからず
その場にしゃがみ込み
崩れるように泣いた。
「うぅっ…。…っ。うっ…」
その字が…言葉が…
優ちゃんのものだと
物語っていた。