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あなたとふたり
第22章 偶然と必然
「康太に…連絡した?」
「…してないよ?」
「俺と会ったこと言ったら
心配するだろうな…」
「ん…」
「言う?」
「…ん」
「遥香…また会える?」
「……………」
「悪りぃ。困らせるだけだよな…。
忘れろ…」
「いいよ…会えるよ…」
この距離がもどかしい。
いつもいつも…手を伸ばせば
触れられる距離にいた優ちゃん。
いつからそんなに遠くに行ってしまったの…?
「家、覚えた?」
「まだ…解らないかも…」
「なら、帰り覚えて帰れよ。」
「うん」
時間は刻々と過ぎて行き
もう夕方になってしまった。
きっとそろそろ…梨花子も心配する。
携帯をそっと見ると
梨花子からの着信は2件のみ。
だけど…
なぜか康太からの着信が
10件ほど…。
嫌な予感しかしなかった。