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あなたとふたり
第23章 タイムスリップ
「ごちそうさまでした」
私と優ちゃんは再度
斎藤さんへ深々と頭を下げた。
「遥香さん。いつでもここに来てね。
ホラ。優君の会社すぐ隣だから。
寂しくなったら会いに来るといいよ。」
ニコッと笑う斎藤さんの横で
大きく溜息をつく優ちゃん。
どうやら、私に会社までは知られたくなかったみたい。
二人は再度頭を下げ
斎藤さんの店を後にした。
「斎藤さん、いい人だね…。」
「だろ?俺、怒られたことねぇーよ?
仏みたいな人だよな…」
二人はフフフと笑いあい
どちらからともなく手を繋いで
またキラキラ輝く街並みを歩いた。
こんな幸せがずっと続けばいい…。
あの日の続きだったら良いのに。
3年前に戻りたい…。
でも、今まさしく
私達は3年前からやり直そうとしていた。
あの時の何も変わっていない。
タイムスリップしたかのように…
何も変わらないのだから…。