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あなたとふたり
第3章 優ちゃんの『優』
真夏の日差しが照りつける中
2人は並んで歩く。
「なぁ。ごめんな。康太のこと…」
「え?あー。気を使ってる言ったこと?
康太、気にすんなって笑ってたよ。」
「そう…か。」
「それに、康太に切っても切れない腐れ縁って
言われちゃったし…」
「…………………はっ?」
優ちゃんの表情が、一瞬にして曇る。
「いいんだよ。優ちゃん。
私、このままで満足してるから」
そう言って笑った。
この気持ちは嘘なんかじゃない。
康太は離れるなと私に言った。
彼女にはなれなくても
側にいれるから…。
「…………………」
優ちゃんはそのまま話しかけてこなくなった。
何となく顔を見るのが怖くて
私は真っ直ぐ前をみて歩いた。
もう家の近くまで歩いてきて
他の学生は誰一人いなかった。
ふいに優ちゃんが口を開く。
「遥香。手…。」
「ん?」
驚いて自分の手を見たけれど
何も付いていない。
「手…貸せ。」
優ちゃんはそっと
私の手を握った。
弱く、弱く。
嫌だったら離してもいいんだぞと
言わんばかりの力でーーー…。
優ちゃんの手は大きくて
とても暖かくて…
この真夏のせいなのか
少し汗ばんでいた。
2人は並んで歩く。
「なぁ。ごめんな。康太のこと…」
「え?あー。気を使ってる言ったこと?
康太、気にすんなって笑ってたよ。」
「そう…か。」
「それに、康太に切っても切れない腐れ縁って
言われちゃったし…」
「…………………はっ?」
優ちゃんの表情が、一瞬にして曇る。
「いいんだよ。優ちゃん。
私、このままで満足してるから」
そう言って笑った。
この気持ちは嘘なんかじゃない。
康太は離れるなと私に言った。
彼女にはなれなくても
側にいれるから…。
「…………………」
優ちゃんはそのまま話しかけてこなくなった。
何となく顔を見るのが怖くて
私は真っ直ぐ前をみて歩いた。
もう家の近くまで歩いてきて
他の学生は誰一人いなかった。
ふいに優ちゃんが口を開く。
「遥香。手…。」
「ん?」
驚いて自分の手を見たけれど
何も付いていない。
「手…貸せ。」
優ちゃんはそっと
私の手を握った。
弱く、弱く。
嫌だったら離してもいいんだぞと
言わんばかりの力でーーー…。
優ちゃんの手は大きくて
とても暖かくて…
この真夏のせいなのか
少し汗ばんでいた。