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あなたとふたり
第3章 優ちゃんの『優』
2人は無言で手を繋ぎながら歩いていた。

時々、優ちゃんが手の力を
キュッと強めるから…

私はその手を離せないでいた。




もうあと何mかで家に着く。


「なぁ。」

「ん?」

優ちゃんの方へ顔を上げる。

優ちゃんは、いたって無表情…。


私の方は見ないで真っ直ぐ視線を向けている。



「俺たちも…




腐れ縁なわけ?」




ーーーー……優ちゃん?



「俺と遥香…幼馴染みじゃねぇよ。」

「うん。そだね…」

「俺、腐れ縁とか思ってねぇよ。」


静かに私の胸の奥が
音を鳴らしていた。

何故か優ちゃんが言わんとしていることを
聞いてはいけない気がした。


調度、その瞬間…

家の前まで来てしまった。



「優ちゃん…ついた。」


1年生の頃から
何度も送ってもらってるから
私の家は知っている。

だから、『ついた』なんて
教えなくてもいいのだけれど…


家の前に着いても尚…

優ちゃんは手を離そうとはしてくれなかった。
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