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あなたとふたり
第26章 男同士の約束
俺は店を後にし
帰り道の途中で
ある人に電話をかけた。
「…もしもし」
「あら。優から電話なんて珍しいわね?
今日はそっちにいけないわよ?」
「…わかってる。そうじゃない。」
「じゃ何かしら?」
この人は高校の時からの関係で…
いつの日か、迫られて
全く反応しなかった俺に
「童貞に逆戻り?」と困惑の顔を見せた人。
あの後も結局は
俺はこの人に頼ることが多かった。
ハイヒールを置いていったのもこの人。
「俺のこと、愛してる?」
「アハハっ。どうしたの?優。
らしくないわね?
当然でしょ?
…愛してるわ」
「なら…今日、会いに来いよ。」
「どうしたの?優。
なにかあったの?」
「俺あんたに感謝してる…。
寂しい時辛い時あんたがいた。
優しくすることなんてわかんなくて
あんたを傷付けたと思う。」
「優…。」
「今日で終わりだ…
アカリ…ありがとう。」
そう言うと電話口のアカリは
声を詰まらせた。
「優っ…やっと名前呼んだわね。
こちらこそ…あなたは幸せになりなさい。」
ありがとう。
お互いにそう言うと電話は途切れた。