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あなたとふたり
第27章 月日が経っても変わらない
「えっ?」
肩から力は抜かれたが
私は動けなかった。
後ろを振り向いた時にはもう
その彼はいなくなっていた。
手の中には欲しかったファイルがある。
誰?
疑問に思いながらも自分のデスクへと戻った。
帰りも隣の部所へ目をやるも
やはりそんな人はいなかった。
ーー香織の目がおかしかっただけ?
デスクへ着くとそのファイルを部長へと手渡す。
「ねぇ?香織の言ってたかっこいい人いる?」
「何?狙ってんの?
さっきから見てないわよ。
外部の戦力人は忙しいからね。
外回りじゃない?」
そう…っとだけ返事をして
仕事へと戻った。
カタカタカタっとキーボードを打つ音が響き渡る。
そして、12時を知らせる時計の音が響くと
みんなは伸びをしてランチタイムに入る。
「遥香今日はどうする?」
「んー。食堂いく?」
「オッケー♫」
そう言って2人は社内食堂へと向かった。