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あなたとふたり
第28章 その手を離すな

「私は…康太と別れてから
誰とも付き合ってないんだよ…」



「じゃぁ。もう処女だな」


薄く笑うとコーヒーを全部飲んだ。

そして、ゆっくりと私へ顔を近付ける。




あまりの至近距離に無意識に後ろに
下がってしまった…。



うっ…顔が整いすぎてるってばっ!



「5年間…誰のものにもなってないんだろ?」



低い、艶がある声で
私の耳元で囁く。




「いやっ…ちょっと…待って!」




唇が触れるか…触れないかのところで
優ちゃんの動きは止まった。




「ーーーーーっっ!」



「遥香は俺が欲しくないのかよ。」




スッと体が離れ
優ちゃんは私の横に座りなおした。



「俺は5年間…お前が欲しくて堪らなかった」



私の心臓はもう爆発寸前。
優ちゃんに聞こえそうなほど
ドクドクと音を鳴らしている。



「けと…今日は抱かねぇ…」




「へっ?」
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