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あなたとふたり
第29章 あの時のペアリング
私はしばらくして居酒屋を後にした。



二人で歩いていると…


香織の足が止まった。






香織が視線を向ける先には
綺麗はガラス張りのレストランだった。



会社のほぼ真正面に面していて
私たちも何度か行ったことがある。

けれど、仕事帰りのストレス発散とは
懸け離れていて…
結局はその裏側の居酒屋の方が過ごしやすい。




「香織…どうしたの?」



わたしが声をかけると
ハッとしたように
「なっ、なんでもない!」と
動揺の色を表した。



私も不意にそのレストランへと
視線を向ける。







あっ……。







そこにはあの目立つイケメン。






優ちゃん。






私に向ける様な笑顔で
真正面に座る女性と会話をしている。






何?


誰?





頭の中はそんなことで一杯だった。
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