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あなたとふたり
第30章 アカリ

でも…ここで
アカリに触れたら
きっと…何もかもが壊れる気がした。
そんな俺をジッとみて
薄く赤い唇の口角を上へあげた。
「…悩むの…やめてくれる?
私、そんなに弱くないのよ。
嫌でも一ヶ月は優と仕事のパートナーよ。
気不味くなりなくないの。」
そう立ち上がると
「じゃあね」と手のひらを泳がせた。
どこまでも完璧で…
美しいあの女は…
俺が見ても恐怖を感じる。
ため息をついてソファーに体を沈ませる。
「大切なもの一つ…そばに置いとけない…
フッ。情けねぇな…俺。」
俺は携帯電話を取り出すと
遥香へと電話をかけた。

