この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あなたとふたり
第4章 男女の友情
「優ちゃん。帰ろうよ。」
何十分か私は優ちゃんに
抱きしめられていた。
「……ん。もう少し。」
「優ちゃん。暑いよ。」
「うるさい。黙ってろ。」
「〜〜〜〜〜〜!」
優ちゃんの表情は全く見えない。
私が顔を上げようものなら
力ずくで頭を押さえつけるからだ。
優ちゃんはわからないー。
出会った時からそれは
変わらない。
この二年半。
私は何を見て来たんだろう。
「優ちゃん。」
「…………ん。」
ゴメンね。優ちゃん。
こんな『友達以上』の事させてるのは
きっと私のせいだね…。
「優ちゃんってばっ!」
「……………」
「優。」
そう呟くと
優ちゃんは私を見下ろして
大きな大きな目をして驚いていた。
そして、口角をあげ
優しく優しく微笑んだ。
夕日に照らされた優ちゃんの笑顔は
私の頬を赤く染めてしまう。
「…も、一回呼べよ。」
「……やだよ。」
「アホ。
バカ。
ブス。」
ドスッ!
私は優ちゃんの横っ腹を
グーで殴ってやった。
「〜〜〜っいて!」
少し離れた隙に私は立ち上がり
1人階段を淡々と降りる。
ーー私、どうかしてた。
頭冷やそう。