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あなたとふたり
第5章 あなたの隣
「……可愛い子。」


ボソっと私が呟くと
優ちゃんは私の頭にぽんっと手のひらを乗せた。


見つめられたまま何も言わない優ちゃんに
ドキドキとさせられた。


「………正解。」




ーーーはっ?


「何が…?」

「お前が今、可愛い子って言ったから。
それは正解って言った」


「そこでフォローいれてよっ!

遥香の方が可愛いよっ!とか!!」


そう言うと優ちゃんは横で
オエーっと吐く真似をしている。


あー!!もう知らないっ!


私がズンズン先を行くと

小さく消え入りそうな声が

耳に届いた…。




「遥香、お前が1番可愛いよ…。」



聞き間違いかと思い私は勢い良く振り返った。


風が夏の青葉を揺らし
バサバサと音が鳴る。


私の髪も揺れて顔にかかる。


同じように優ちゃんの、髪も揺れていた。




その表情は切なそうで…



今にも消えていなくなってしまいそうだった…。
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