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あなたとふたり
第1章 ふたり

ピタッと止まったうちわを
優ちゃんの綺麗な目がじっと見つめていた。
そして、低い声で
「暑い。」と呟く。
ハッ!と我に帰りまたパタパタと扇ぐ。
「康太!遥香に話しかけるな。暑くなる」
そう言い、机に突っ伏してしまった。
「意味わかんね。遥香、うちわ貸せ」
そう言って私からうちわを取り上げ
そのうちわで優ちゃんの頭をはたいていた。
【柳 康太】やなぎこうた
私の幼馴染み。
そして初恋の人。
それを優ちゃんも玲奈も知っている。
康太は優ちゃんとは違って
髪は染めていない。
けど、その黒髪が康太の魅力。
康太も優ちゃんもすごく人気がある。
2人が並べばモデルにだって対抗できるかもしれない。
「…香…香!…遥香!」
!!!!
「何、ボーッとしてんだよ。ホラ。」
康太によばれ手元にうちわが返ってくる。
キーンコーンカーンコーン…
休み時間終了の合図。
玲奈と康太は席へと戻って行った。
その後ろ姿を私はジッと見つめていた。

