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あなたとふたり
第6章 遥か遠くの君
堪らず話しかけた俺に
遥香は柔らかく笑った。
「どうした?」
「…ん。ちょっと…」
「っち。またちょっとかよ。」
「……うん。」
「ねぇ、優ちゃん。
好きなコできた?」
「はぁ?出来るわけねぇだろ。
俺を見る女の目はどれもこれも一緒だよ。」
「さすがっ!イケメン…フフフ」
「何?振られたわけ?」
「……………………」
「図星?」
「ううん。永遠に伝えることのない片思いなの。」
その遥香の横顔は
凄く、悲しそうで泣きそうだった。
「幼馴染みがいるの。
五歳の時からずっと一緒。」
「今もか?」
「うん。隣のクラスだよ。」
「なんで伝えないんだよ?」
「弱虫だから。
怖いの。
壊れるのが…。」
「はぁ?一生そうするわけ?
バカじゃねぇの?
伝えなきゃ伝わんねぇじゃん。」
「いいの。このままで。
優ちゃんも。
変わらないでね。
私、優ちゃんといると
嫌なことも忘れられるよ。
loveとは違うけど
likeだよ。」
そう涙を堪えて笑うな遥香に
俺は…
変な気持ちを覚えた。