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あなたとふたり
第7章 優しい手と優しい唇
家に帰ってからも
私は悶々としていた。

康太の言っている意味も
サッパリと理解出来ない。


「ムカつく?

それ、ヤキモチなの?」

「幼馴染みが辛い?

それ、私のことが好きなの?」


1人で自問自答を繰り返していた。

「いや…彼女いるじゃん。

あっ。優ちゃんに相談しよう…。」


携帯を出し、優ちゃんの電話番号を呼び出す。

画面の受話器マークを押そうとして…

画面を消した。


「優ちゃんには…出来ない。」


頭を冷やそう。

そう思い、少し外を歩くことにした。


10月の夜はもう肌寒かった。

歩いて10分ほどの高校の近くのコンビニに
行くことにした。
適当にジュースを買って出ようとした時だった。


「優ちゃんが、あの時ね〜」


聞き慣れた名前と

何処かで聞いた声。


声のする方を見ると…

そこには
優ちゃんと優梨ちゃん。



えっ?
なんで?

私はとっさに隠れてしまった。



ーーあっ!部活だね!
そうだねっ!!


って3年はもう引退してるよ。


なら、何で?


「優ちゃん、ここでいいよー。」

「いや、送ってく」

「相変わらず優しいね。
こんなところ誰かに見られたらどうすんのー?」


優梨ちゃんは全く焦る様子もなく
おどけた感じて聞いていた。

「いいんじゃねぇーの?

どーせ、お前と俺



腐ってんだし。」



ーーーーーっ?
どこかで聞いたセリフ。


「ははっ。なにそれ。」

「お前もいい加減にしねぇーと
康太、失うぞ」

「あんたが言うセリフじゃないでしょ?」


さっきまで『優ちゃん』と可愛く呼んでいた
優梨ちゃんの姿はどこにもなかった。
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