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あなたとふたり
第8章 手を伸ばせばそこにいる
「…うん。」
「きっと康太も優ちゃんも傷付く」
「なんだよ。それ!
私のために喧嘩するのはやめて〜ってやつ?」
「違うよっ!」
「…俺、本当は凄く
優を殴りたい。」
えっ?
私は耳を疑った。
「俺、前にも言ったろ?
遥香を守りたいんだ。
あの日、遥香があんなに目を腫らして
笑ってるのを見たら殴らないと気が済まなかった。
でも、遥香は私が悪いんだって言うし
イかれたことしか言わないから
気にしないようにしてた。」
「でも、二ヶ月も遥香を無視して
辛い思いさせて、すっげー腹立つ。」
「っっ康太っ!違うの!
私が避けたの。
優ちゃんの手を私が払ったんだよ…」
「伸ばせばすぐ触れられるところに
いてくれたのに…
私が振り払ったの。
だからこんなにも遠いんだよ。」
クラスメイトの中で
笑顔で笑う優ちゃんを見る。
その笑顔で少し救われた気がした。
「遥香。
優が好きか?」
「康太、前にも聞かなかった?」
「前と今じゃ違うだろ?
好きかよ?」
「…わからない。」
「そうか。
でも大切だろ?」
「うん。それは変わらないよ。
友達として…
優ちゃんも康太も玲奈も大好き。」
「俺もだ。
行ってこい。」
康太が私の背中を押す。
ポンっと前に出た私は
震える足で優ちゃんの方へ近付いた。
「きっと康太も優ちゃんも傷付く」
「なんだよ。それ!
私のために喧嘩するのはやめて〜ってやつ?」
「違うよっ!」
「…俺、本当は凄く
優を殴りたい。」
えっ?
私は耳を疑った。
「俺、前にも言ったろ?
遥香を守りたいんだ。
あの日、遥香があんなに目を腫らして
笑ってるのを見たら殴らないと気が済まなかった。
でも、遥香は私が悪いんだって言うし
イかれたことしか言わないから
気にしないようにしてた。」
「でも、二ヶ月も遥香を無視して
辛い思いさせて、すっげー腹立つ。」
「っっ康太っ!違うの!
私が避けたの。
優ちゃんの手を私が払ったんだよ…」
「伸ばせばすぐ触れられるところに
いてくれたのに…
私が振り払ったの。
だからこんなにも遠いんだよ。」
クラスメイトの中で
笑顔で笑う優ちゃんを見る。
その笑顔で少し救われた気がした。
「遥香。
優が好きか?」
「康太、前にも聞かなかった?」
「前と今じゃ違うだろ?
好きかよ?」
「…わからない。」
「そうか。
でも大切だろ?」
「うん。それは変わらないよ。
友達として…
優ちゃんも康太も玲奈も大好き。」
「俺もだ。
行ってこい。」
康太が私の背中を押す。
ポンっと前に出た私は
震える足で優ちゃんの方へ近付いた。