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あなたとふたり
第9章 空白の2ヶ月
「ねぇ?優ちゃん。」
「優ちゃん、変わったよね。
あの頃は私を女と思ったことなかったでしょ」
『人を人とも思わない優が好きだったわ』
あの女に言われた言葉が
ふと思い出された。
「…ふっ。俺って最低な人間だな。」
「ふふ。そうだったかも。
優ちゃんからは優しさなんて感じなかった。」
「でもね、優ちゃんを追いかけて
この高校に入ったの。
入学式で見つけた時は、
変わってないなって思ったの。
でもね、時々見る優ちゃんはいつも
笑ってたよ。
遥香ちゃんの隣で。」
「2年に入った途端、優ちゃんが
声かけて来たから驚いたの。
でも、その時の優ちゃんは
私の知ってる優ちゃん。
……でも優ちゃん。
私が初めてなのって言ったら
鼻で笑ったくせに
凄く優しかった。」
「うるせーよ。」
あの時は康太と遥香がムカついて
誰でもよかった。
ふと思って
『あぁ。俺を追っかけてた奴いたな』くらいしか
考えてなかった。
正直…誰でも良かったんだ。
心は満たされなかったけど
欲望を優梨に吐き出せば
少しは楽になれた気がしたから。