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あなたとふたり
第9章 空白の2ヶ月
…………………………

俺は、玲奈の家の前に立っていた。

結局はただ遥香に会いたかった。



リビングに入るともう他のクラスの奴らが
ワイワイと騒いでいた。


まだ来たばかりという感じの遥香が
康太の横に立っていた。


話しかける理由もタイミングもなく
ただ、横を通るだけしか出来なかった。

横を通る時に匂った遥香の
柔らかい香り。

人工的に作られた香水の匂いでもなく
とても、心地良い匂いだった。



クラスの奴らが俺の頭を掴み
「やっと来たかよ〜ー!!」と騒ぐ。


その中に玲奈も来た。



それからすぐのことだった。

懐かしい声が呼ぶはずのない名前を呼んだ。


その声の主は顔を真っ赤にして
話があると俺に言う。


ーーー俺もだよ。遥香。


そう思ったら、無性に胸が苦しくて
俯いてごまかした。


本当はすぐにでも謝りたかった。
でも、素直になることが解らなすぎて

気付いたら遥香の腕を掴んでいた。


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