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金の月銀の月
第6章 break with my past
美枝子は夫雅之との話し合いに自宅に戻った。

リビングのソファに座り辺りを見回した。
掃除をされていないのか…

雅之は離婚を願い出た。
美枝子は首を横に振った。

雅之は初めて美枝子に頭をさげた。

亭主関白でいつも威圧的で命令口調だった雅之が…

「璃子が成人するまで、私は離婚をしません。」
美枝子はきっぱりと言った。

雅之は
「彼女に子供が出来たんだ…だから…頼む。」

「で?璃子を捨て、彼女の子供のパパに?」

「違う…璃子は…俺の、俺の娘だ。」

「動物じぁ、あるまいし、責任ある行動しなさいよ。いい年した大人が…」

「…。」

美枝子に罵られプライドが許さなかったのだろう…
美枝子に掴みかかった。

美枝子は無抵抗で殴られ、吹っ飛んだ。

「痛っ。。彼女にも暴力的なの?」
美枝子はぶつけた額を押さえながら雅之を睨みながら言った。

「彼女には手を上げないし、怒らない!」

「どうでもいいけど…離婚はしないわよ。裁判でもなんでもどうぞ。弁護士を立てますから。」

美枝子は二階に上がった。
そして寝室を開けると、雅之の彼女がベッドに座り怯えていた。

「あなた、奥さんが使っていたベッドで平気で使えるわね。」

以前聞いた、彼女の大きな喘ぎ声を思い出した。

「慰謝料を請求するわ。どうせ夫からでしょうけど…」

そう言い、部屋から出るときに
「あまり大きな声を出したら、ご近所さんに迷惑よ。」
そう言い捨てた。

そしてそのまま玄関から外に出た。

「なんて、下品な陰険な言葉を吐いたのかしら…」
美枝子は自己嫌悪に陥りながら帰途についた。


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