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第6章 break with my past

「ここですよ」
ホテルに案内された。

「ここのランチがお値打ちでいいんだ。」
「まぁ。こんな素敵なホテルでお食事なんて。」
美枝子は目を輝かせた。
「初デートだからな。」
山田は嬉しそうに言い、受け付けで名前を言った。

そして二人は窓際の景色のいい席に案内された。

メニューを受け取り見て
「何か食べたいものは？」
と山田が美枝子に尋ねた。

美枝子は、どれにしたらいいのか決めかねていた。

「山田さんは？決まりましたか？」

「あなたを…」

「え？」

「あなたを食べたい」

「もう、いやだわ。山田さんたら。」

「ははは。この今日のシェフランチのAを」

「じゃあ…私は、そのBに」

「よし！」

山田はウェイターに目で合図をし呼んだ。

「このAとBを、飲み物は、アルコールいい？」
美枝子に尋ねた。
美枝子は頷くと、

「じゃあ、このワインを。」

ウェイターは礼をし、席から離れた。

「昼からワインなんて贅沢ね。」

「再会の乾杯をしましょう。」

目を細めて山田は言った。


「再会に乾杯！」

「乾杯」

二人は一口ワインを飲んだ。
口当たりのいいワインだった。

「ふふふ。美味しいわね。」

二人は食事をしながら、話しが弾んでいた。

するとシェフが席に挨拶に来た。
山田の知り合いだった。

「太郎ちゃん、どうだった？」

「あ、美味かったよ。」

「こちらの女性は？」

「あ…彼女だよ。」

「え？彼女？珍しい。っていうか初めてだな。」

美枝子は会釈した。

彼女？彼女で通していいのかしら。否定した方がいいのかしら。。

美枝子は山田の方を見ると、
悪戯っぽい目をして美枝子を見つめた。

「デートの邪魔だから、仕事に戻れよ。」
山田はシェフに仕事に戻るとように言った。