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金の月銀の月
第6章 break with my past
部屋から出てきた璃子の頬が紅潮していた。

美枝子は一真を憎く感じた。
刺すような目で一真を見つめた。

一真は美枝子の刺すような視線を嬉しく感じた。

自分を見てくれている…

それだけで、嬉しかったのだった。


一真は美枝子の前で璃子に触れ、
璃子に顔を近づけイチャついた。

「ママ、一真さんにさっきプロポーズされたのよ。」
咄嗟の璃子の言葉に美枝子は驚いた。

「馬鹿ね、16歳の璃子が奥さんなんて無理よ…」

美枝子は一真を睨みつけた。

「今すぐじゃないんです。いずれ…したいって、結婚の約束をしたんです。」
一真が答えた。

「璃子、この人の何を知っているの?何も知らないでしょ?ちゃんと相手を知ってから、愛を誓うものよ?」

「ママ、パパをちゃんと知って結婚したの?」

美枝子は、雅之の強引さを自分を守ってくれる強い人と思い、結婚したのだった。

「だから…だから璃子に言ってるの。」
美枝子は目を伏せた。

「璃子はまだ子供なので、惑わさないでね。」
わざと優しい顔をして一真に言った。






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