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金の月銀の月
第6章 break with my past
美枝子は、ヨロヨロと夜道を歩き出した。
銀色の半月が空に浮かんでいた。
マンションの近くに来ると
「美枝子さん?」
と、名前を呼ぶ声がした。
振り返ると山田だった。
「ああ…やっぱり!こんな素敵な人を見間違える訳がない。」
そう言い、美枝子の前まで歩いてきた。
「美枝子さん?」
覇気のないやつれ疲れた美枝子に山田は驚いていた。
美枝子はゆっくりと会釈をした。
そして、また歩き出そうとすると
フラッとよろけてしまった。
「大丈夫ですか?どこか体調が悪いんですか?」
美枝子を急いで支えた。
「あ…すみません。大丈夫です。」
そう言い歩き出そうとした。
「家は近くですか?送りますよ。」
心配そうに美枝子を見つめる山田に、美枝子は我に返った。
「あ…ごめんなさい。私…ボーッとしていて。」
虚ろな目が正気な目に変わったのが、山田は気付いた。
「呪いでもかけられていたの?」
「呪い…そうね。多分…呪いだわ。」
「呪いがかけられたって分かればもう解くだけだ。」
「解けるかしら…」
「解ける方法を探せばいいさ。」
「まず、どんな呪いをどんなふうにかくられて、どんな症状になるかって、自分自身で客観的に見つめる事かな。」
「客観的に…」
山田は近くにあるコーヒーショップに
美枝子を連れて入った。
そしてコーヒーを頼むと、奥のソファに座った。
「白雪姫は、継母の嫉妬で毒リンゴを食べさせられて、王子のキスで目覚めた。まぁ、よく考えたら、何にも解決していない物語だが、とりあえず幸せになったようだし…」
「はい?白雪姫?」
「通り掛かった王子は見も知らない、美しい女が眠っていて、キスをする…あり得ないよね。
そして、喉に詰まった毒リンゴがキスで喉から取れるなんて。どんだけ強く吸ったんだ?って話しだよね。」
「そうね…よく考えたら…」
銀色の半月が空に浮かんでいた。
マンションの近くに来ると
「美枝子さん?」
と、名前を呼ぶ声がした。
振り返ると山田だった。
「ああ…やっぱり!こんな素敵な人を見間違える訳がない。」
そう言い、美枝子の前まで歩いてきた。
「美枝子さん?」
覇気のないやつれ疲れた美枝子に山田は驚いていた。
美枝子はゆっくりと会釈をした。
そして、また歩き出そうとすると
フラッとよろけてしまった。
「大丈夫ですか?どこか体調が悪いんですか?」
美枝子を急いで支えた。
「あ…すみません。大丈夫です。」
そう言い歩き出そうとした。
「家は近くですか?送りますよ。」
心配そうに美枝子を見つめる山田に、美枝子は我に返った。
「あ…ごめんなさい。私…ボーッとしていて。」
虚ろな目が正気な目に変わったのが、山田は気付いた。
「呪いでもかけられていたの?」
「呪い…そうね。多分…呪いだわ。」
「呪いがかけられたって分かればもう解くだけだ。」
「解けるかしら…」
「解ける方法を探せばいいさ。」
「まず、どんな呪いをどんなふうにかくられて、どんな症状になるかって、自分自身で客観的に見つめる事かな。」
「客観的に…」
山田は近くにあるコーヒーショップに
美枝子を連れて入った。
そしてコーヒーを頼むと、奥のソファに座った。
「白雪姫は、継母の嫉妬で毒リンゴを食べさせられて、王子のキスで目覚めた。まぁ、よく考えたら、何にも解決していない物語だが、とりあえず幸せになったようだし…」
「はい?白雪姫?」
「通り掛かった王子は見も知らない、美しい女が眠っていて、キスをする…あり得ないよね。
そして、喉に詰まった毒リンゴがキスで喉から取れるなんて。どんだけ強く吸ったんだ?って話しだよね。」
「そうね…よく考えたら…」