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金の月銀の月
第7章 Live in the present
山田を見送り、ベッドからシーツを外していると、山田のタブレットがベッド脇に落ちていた。

「あ…忘れ物、知らせないと…」

するとチャイムが鳴った。

美枝子は山田が忘れ物に気付き戻ってきたのかと思ったのだ。
タブレットを持ちドアを開けた。

すると夫の雅之だった。

「美枝子、なんだこれは。」
ドアを開けると雅之が離婚届をバッグから出しながら言った。

「何か間違えていましたか?」

美枝子はタブレットを下駄箱の上に置いた。

「そんな事じゃない。何故離婚届を俺によこすんだ?」

「え?離婚するなら、届けないと…」

「いつまで、このマンションにいるんだ?」

「え?」

浮気相手と結婚するんじゃないの?
そう思った。

「あなたが…離婚したいんじゃないの?」

「俺が離婚をされているみたいじゃないかよ。」

「でも、あの人が早く離婚してって…」

「あいつが?あいつと会ったのか?」

「昨日…ここに来て…」

「ここに来たのか⁈」
怖い顔をしながら玄関を見回した。

「ふーん。ここにか。。昼間男でも連れ込んでるのか?ん?」

「な…何を言ってるの?そんな事する訳無いじゃない。」

「別居していても俺とお前は夫婦だからな!分かってるだろうな。」

「え?は…はい…」

雅之は不倫相手と一緒に住んでいるのに…

「確かめてやる。」
雅之はそう言いドアの鍵を閉め靴を脱いだ。

そして美枝子の腕を掴み明るいリビングに引っ張った。

「脱げ!確かめてやるから。」

「え?嫌よ。何故?」

「なんだ、脱がして欲しいのか?ん?」

「脱がして欲しくなんて無いし、脱がないわ。」

美枝子は部屋から逃げようとした。
が、雅之に捕まり押さえつけられたのだった。

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