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金の月銀の月
第7章 Live in the present
「ん……」

ピクリと手が動き目を開けた。

「美枝子さん?美枝子さん!」

山田が目の前にいる。


「ん…?山田…さん?」

美枝子は記憶を辿っていた。

「確か、雅之さんが…」

起き上がろうとすると
「痛っ!」

頭を押さえた。

山田は美枝子を抱きかかえた。

「大丈夫かい?一体…何が…」

ほんの1時間半前には元気な姿で飛び切りの笑顔で見送ってくれた美枝子が、こんなにボロボロになっているなんて…

「救急車を呼ぼうとしていたんだ。あと警察も。」

「え?ダメ…お願い。私は大丈夫だから…だから呼ばないで。」

「こんなになってるのに?」

「お願い、大丈夫だから…ほら、身体も動くし。」

美枝子は無理やり身体を動かした。

「っ痛っ!!」

「美枝子さんに何かあったら…困るよ…璃子ちゃんもいるし…」

「お願い、大丈夫だから。本当、大丈夫だから。」

「でも…」

美枝子は弱々しく山田に抱きついた。

「ありがとうございます。心配して貰えて嬉しい。」
美枝子は涙ぐんでいた。

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