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金の月銀の月
第8章 Tomorro is another day
璃子は愛人と住む父親の元には死んでも行きたく無かった。
しかし、山田が愛する母親の元には今は戻りたく無かった。

「璃子…ごめんな…璃子が大事で可愛くて好きだ。でもママも…美枝子さんも大切で愛しくて愛してる。俺も…」

山田の目に涙が光っていた。

「たろーさん?」

「生きていると、分かっていても気持ちがどうにもならない事があるんだ。人を傷付けるのが分かっていても、分かっていても…璃子。。」

山田は璃子を抱き締めた。

璃子にはまだまだ理解出来ない事だろう…

「たろーさん…私はたろーさんが好きだし、たろーさんが大切。私の心はたろーさんなの。」

璃子は山田の背中に抱き付いた。

可愛くて若いこの女の子を惑わせてしまった事に後悔していた。
この若い女の子の将来なんて考えずに、今この子の想いに答えたかったから…


「たろーさんが、ママも好きでいいから。私はたろーさんが好きなんだもの。だから…だから私の前からいなくならないで。お願い。私はたろーさんが…好き。たろーさんが私を好きでいてくれるなら、いなくならないで…」

璃子は泣きじゃくっていた。

山田は璃子を抱き締め泣き止むまで優しく撫でていた。




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