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金の月銀の月
第8章 Tomorro is another day
娘の璃子が女の眼で自分を睨みつけたのには驚いた。
多分、自分も女の眼で璃子を睨みつけ、山田から引き離そうとあんな言葉を吐いたのだと思った。

そのまま美枝子はマンションに戻らず、一真の喫茶店に向かっていた。

璃子が帰らない一週間、美枝子は一真の元に毎日通ったのだった。

毎日、一真と一緒にいても美枝子は満たされなかった。
それでも一真の元に通い、一真を求め、一真に求められていたのだった。

一真の喫茶店はこの日は定休日だった。
本当は一真の海の喫茶店に行くつもりだったが、璃子の面談の為に中止にした。

一真の喫茶店に戻り、裏口から入ると一真の声がした。

「電話?」
店を覗くと、女性と一真が話しをしていた。
女性は泣いているようで、一真は宥めている。

「好きだから。だから、泣き止んで。」

「じゃあ、あの女は?」

「彼女は…セックスだけをしたくて俺のところに来るんだ。旦那と別居していて、寂しいんだよ。」

「だからって…なぜ一真が?」

「彼女、俺がいないと死ぬって…」

「何よそれ、脅し?」

「彼女の心が落ち着くまで…」

美枝子はショックで倒れそうだった。





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