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金の月銀の月
第3章 Mellowkiss
夫が帰って来ても気付かないで眠っていた。


朝になり、美枝子は重い身体を起こし
娘の弁当と朝食を作りにキッチンに行くと
手をつけられていない夕食と
コンビニ弁当のゴミと、ビールの空き缶がテーブルに散乱していた。

美枝子は無言で片付け、弁当を作り娘を起こした。

そして娘を見送り、夫を起こし朝食の準備をしていると

「何だ?具合が悪いのか?」

美枝子は頷き

「うん。少し…」

体調悪いのを、気遣って貰えると思い
少し期待をしたが

「サラリーマンは体調が悪くても自分の仕事はちゃんとやるけどな。」

そう言い捨てて会社に出掛けた。

(優しさなんて、期待しなければ良かった。)


美枝子は、キッチンの片付けをし、洗濯をし、掃除をし…
ベッドに倒れこみ、夕方になり起き出して
夕食の支度を始めた。

夕食の支度が終わると娘は友達とファーストフードで食べてくるからと、Lineが入った。

夜になると、夕食は要らないと夫からメールが届いた。

喫茶店の店主の一真から何件かメールが入っていたが
読む元気もなく、そのまままた、ベッドに倒れこんだ。

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