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金の月銀の月
第8章 Tomorro is another day
一真も山田も失いたくない。
でも、一真にも山田にも自分だけを見ていて欲しいと思っていた。

ずるいわよね…

美枝子はフッと笑った。

そして一真の後ろに立っている女性に

「と、言うことなの。一真さんを諦めてあげて下さい。」
嫌な女になっていた。

そう言い、美枝子は一真を引っ張り店に戻った。

女性をチラッと見ると目から涙が流れていた。

本当は自分がちゃんと身を引いたらいいのが分かっていた。
でも、美枝子自分の弱さに負けていたのだった。

そして一真の腕にしがみつくように、彼女が荷物を持って出て行くのを見つめていた。

彼女がドアを、開けると一真は美枝子の腕を解き
彼女の腕を取った。


「俺、やっぱり…お前が好きだ。でも美枝子も離せないんだ。」

泣き噦る彼女は一真を見つめた。

「俺には二人必要で二人愛しているんだ。」

「私は私だけを、愛して欲しいの。」

美枝子は、一真と彼女の横を通り

「さよなら」
と言い振り向かずに店を出た。

そして大きく息を吐いた。




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