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金の月銀の月
第8章 Tomorro is another day
キッチンには洗っていない食器が積み重なり
ゴミ箱にはゴミが溢れていた。

「あ〜あ…やっぱり…」

美枝子は、何も出来ない夫に思わず笑ってしまった。

そして、キッチンの片付けから始めた。

雅之は洋服が積み重なったソファに寝転びながら、新聞を読んでいた。

璃子が小学校入学とともに越してきた家。
10年以上住み、毎日使っていたキッチン…
いろんな思い出が蘇っていた。

対面キッチンから、料理をしながら璃子を見つめ、
食事の片付けをしながら雅之を見つめていたこと。

雅之が対面式のキッチンを強く推してくれた事を思い出した。

自然に涙が溢れてきた。

過去が懐かしく、幸せに暮らそうと頑張っていたのに
なぜ、こんな事になってしまったのか…


そして、食事の下ごしらえをし、ダイニングテーブルの上の書類を片付け、椅子に掛かった洋服を片付けた。

雅之は相変わらずソファに寝転び、テレビを観ていた。


美枝子は、雅之の好きなホワイトシチューを作った。
意外に雅之はお子様メニューが好きだったんだと美枝子は気付いた。

そして、食事をテーブルに並べると雅之を呼んだ。

雅之は面倒臭そうにため息をつき、椅子に座った。



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