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金の月銀の月
第8章 Tomorro is another day
「さぁ、璃子ちゃん、そろそろ帰らないと…」

山田は璃子を促した。

璃子は必死に山田にしがみつき、キスを求めていた。

「お願い。私をここに置いて。」
涙を溜めながら山田に訴える璃子は、愛しくて堪らなかった。

「とりあえず、一度家に帰ろう。」

「…。」

璃子は憎い母親と嫌いな父親のどちらかに帰らなければならなかった。
母親の顔を見るのは嫌だった。
父親なら自分を干渉しないし、山田の元に戻っても何も言わないだろう…

「パパの…パパのところに行くわ。」

「え?父親の?美枝子さんが、寂しがらないかな…」

「ママが?寂しくなんてならないわ、ママは…」

母親は自分が居なくても、一真や山田が居ればいい…
そう思っていた。

璃子は険しい表情をして、立ち上がった。
そして、荷物を持った。



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